- FRP防水のベランダ床面に水溜まりができてしまう
- 排水溝があるのに雨水が室内側に流れてくる
- 雨が降ると家の中に水が逆流してくる
- 水捌けが悪いまま放置すると雨漏りするって本当?
FRP防水のベランダ床面は、経年劣化や新築時の設計ミスにより勾配がない(なくなる)場合があります。
また、勾配のみ再施工することも可能で、下地全体の形状から再施工する場合や、樹脂モルタルで部分的に勾配を調整することも可能です。
この記事では、FRP防水のベランダ床面の勾配がない原因や勾配が必要な理由、また再施工の費用などについて詳しく解説します。
FRPとは?勾配とは?
まずはじめに、FRPと勾配について説明します。
FRPとは?

FRPとは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced plastics)の略称のことで、樹脂とガラス繊維を編んで作ったシートを組み合わせて形成する複合材料です。
日常生活で利用している自動車や浴槽などの身近なものから、ロケットや人工衛星など、とても幅広く使われています。
こちらの記事でFRPについて詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

勾配とは?
勾配とは、傾斜面の傾きの程度、斜面のことです。
勾配が無いと床面に水溜まりができてしまい、常に床が濡れた状態になります。
適切な勾配があることで、スムーズな排水を行い、建物を保護することができます。
FRP防水の床面に勾配がなくなる原因
FRP防水の床面に勾配がなくなる原因はいくつかあります。
新築時の施工ミス

まず、建設段階で勾配の計算を間違ってしまったケースです。
このケースは、最初から勾配が計算されていない場合や計算を間違えてしまい、適切な勾配が無いことがあります。
経年劣化
FRP防水のベランダ床面が、経年劣化により勾配がなくなる場合があります。
紫外線や雨風、歩行などの摩擦により表面がすり減ってしまい、勾配がなくなってしまうケースです。
設計上の都合
設計上の都合により、勾配が設けられないこともあります。
デザインや見た目を重視して、故意に勾配をとらないことがあります。
勾配の劣化は対策できる?

「設計ミス、経年劣化、設計上の都合」の中で唯一対策できることが経年劣化です。
経年劣化とは、時間の経過により品質が低下していくさまを言います。
以下のような対策をすると、勾配の劣化を抑えることができます。
- ベランダに重量物を置かない
- 床を傷める靴を履かない
- 排水溝の清掃をこまめにする
- 雨水など水が流れやすいように、流れを遮るものは置かない
- トップコートの塗り替えをを定期的に行う
- 定期的に清掃をして床面の綺麗を保つ
FRP防水のトップコート塗り替えについて、こちらの記事で詳しく説明しています。

水捌けが悪いまま放置すると雨漏りするって本当?

水捌けが悪いままのベランダ床面を放置すると、防水層が劣化してしまい、雨漏りする可能性があります。
また、カビや苔が発生、シロアリやネズミなど害虫が沸いてしまうため注意が必要です。
カビを放置すると、アレルギーや呼吸器疾患、皮膚炎などの健康被害を起こしてしまうリスクがあります。
雨漏りについて、下記の記事で詳しく紹介しています。

FRP防水のベランダ床面の勾配はどのくらい必要?

実は、ベランダの床面の勾配には目安となる数値があります。
ベランダ床面の勾配は1/50以上が適切

FRP防水のベランダの床面の勾配は1/50が目安、排水溝付近は1/100以上が適切だと言われています。
そのため、ベランダの幅が広いほど、勾配が必要になります。
ベランダ床の勾配の修正、再施工は可能?

FRP防水のベランダ床面の勾配を直す工事は可能です。
- 下地全体の形状から再施工する
- FRPのガラスマットを重ね勾配を増す
- 樹脂モルタルで部分的に勾配を調整する
ベランダの形状や広さ、排水溝の数や建物の造りにより、勾配のつけ方や施工方法が変わります。
施工業者としっかり話し合いをすることが、とても大切です
ベランダの床面の勾配を直す費用

eリフォームは、ベランダの床の勾配を直す工事を行っています。
下地から再施工し、その上にFRP防水の工事を行った場合、一般的な住宅のベランダ(5㎡~10㎡)で約25万円~です。
※下地の状況や環境、雨漏り状況などによって大きく変動する場合あり
ベランダ床の勾配不良やひび割れ・剥がれなどのお悩みは、ぜひeリフォームにご相談ください
まとめ
今回は「FRP防水層のベランダ床面の勾配を直せるか?」についてご紹介しました。
ベランダの形状や建物により、勾配のつけ方や施工方法が変わるため、業者としっかり話し合うことが大切です。
- 勾配がなくなる原因は、設計ミス・経年劣化・設計上の都合など
- 経年劣化による勾配の減りは対策をすることができる
- ベランダ床面に勾配がないと、水捌けが悪くなり床の劣化を早める
- 勾配の再施工は可能だが、工事内容によって費用は大きく変わる