- ウレタン防水ってどういう防水工事?
- なぜ、ウレタン防水はベランダやバルコニーにも最適?
- ウレタン防水は、コストパフォーマンスが高いって本当?
- ウレタン防水の相場が知りたい!
- ウレタン防水を長持ちさせるコツを知りたい
そのお悩み、すべてこの記事で解決できます。
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を複数回塗布して施工する防水工法のことです。
そして、ウレタン防水は柔軟性や耐衝撃性が高く、ひび割れや膨れを起こしにくいため、ベランダやバルコニーの防水施工に最適です。
また、ウレタン防水の価格相場は約3,000円~7,500円/㎡、耐用年数も10~15年程度でコストパフォーマンスがとても高いといえます。
そんなウレタン防水を長持ちさせるためには、日々の清掃や定期的なトップコートの塗り替えがとても重要です。
今回はウレタン防水の基本知識から相場価格、なぜベランダにも最適なのか?を解説します。
ウレタン防水とは?

まず、はじめにウレタン防水について紹介します。
ウレタン防水とは
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を複数回塗布することで、防水層を形成する防水工法です。
耐久性や柔軟性、弾性に優れており、防水工事の中でもコストパフォーマンスが高く、施工数も多い防水工法です。
ウレタン防水の特徴
ウレタン防水は、液体状のため場所や形状を問わず、施工することができます。
マンションのベランダやバルコニーはもちろん、屋上のような広い場所の施工も可能です。
また、ウレタン防水は柔軟性があるため、温度変化やひび割れにも強いです。
建物の動きや振動に追従する性質があり、ひび割れや膨れに対応することができます。
ウレタン防水は国内主流の防水工事

※画像引用:一般社団法人 日本防水材料協会
上の図は、一般社団法人日本防水材料協会が発表した2024年上半期の施工実績です。
国内での防水工事において、ウレタン防水の採用率がとても高いことが分かります。
ウレタン防水のメリットとデメリット

それでは、ウレタン防水のメリットとデメリットを見て”なぜウレタン防水は国内主流の防水工法なのか?“考えてみましょう。
ウレタン防水のメリット
柔軟性、耐衝撃性が高い
ウレタン防水は、柔軟性や耐衝撃性に優れています。
そして建物の動き、振動に追従する性質があるため、ひび割れや膨れを起こしにくいというメリットがあります。
継ぎ目ができず、複雑な形状に対応
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布して、防水層を形成します。
そのためシート防水のように貼り付ける作業がなく、複雑な形状や段差などに塗布することが可能です。
コストパフォーマンスが高い
陸屋根やビル屋上などに施工する場合、その広さだと気になるのはコストだと思います。
ウレタン防水は、価格だけではなく耐用年数も10年~15年程度ですので、総合的にコストパフォーマンスが高いといえます。
ウレタン防水のデメリット
硬化に時間がかかるので工事期間が長い
ウレタン防水はウレタン樹脂を塗布したあと、乾燥させる作業が必須です。
そのため、ウレタン樹脂は乾燥が遅く工期がかかってしまう場合があります。
臭いが発生する
ウレタン防水の施工では、塗料を希釈する際の粘度調整にシンナー系溶剤を使用することがあります。
そのため、施工中にシンナー特有の強い臭いが発生することもあります。

※画像引用:東日本塗料 フローンプライマーUS
こちらの”東日本塗料 フローンプライマーUS“は、シンナーで希釈の必要がないプライマーです。
臭いも気にならなず、希釈の工程も省けるため、作業効率が上がります。
液体を手作業で塗るため技術が必要
ウレタン樹脂を床面に塗布する作業は、職人の手作業です。
そのため、均一な厚みやムラのない塗布が求められます。
この作業は、経験や知識がとても大事になるため、ウレタン防水を業者に依頼する際は、防水工事の経験が豊富な施工業者を選ぶのがポイントです。
ウレタン防水は、国内においてさまざまな建物の防水施工に、広く採用されています。
新築や改修工事、どちらにもウレタン防水が採用されていて、その汎用性の高さから人気の防水工事だということが分かります。
なぜ、ウレタン防水はベランダやバルコニーに最適なのか

私たちが住む日本は、地震や台風など自然災害がとても多いです。
しかし、ウレタン防水は柔軟性があり、振動を追従する性質を持っています。
地震や台風が多い日本では、ウレタン防水はベランダやバルコニーのひび割れを防ぐことができるため人気です。
そのため、ベランダやバルコニーにウレタン防水は最適だといえます。
ウレタン防水の工法
ウレタン防水の工法には、2種類の工法があります。
下地の状態や場所を調査して、どちらの工法で工事を行うかをプロの職人が決めています。
密着工法

密着工法は、下地にウレタンを塗る通常の工法です。
シンプルな施工なので、短時間で安価ですが、下地に直接ウレタンを塗布していくため、技術と経験が必要です。
そのため密着工法は、新築や面積が狭いベランダやバルコニー、雨漏りを起こしてない場所に最適だといえます。
通気緩衝工法

通気緩衝工法は、まず下地に通気緩衝シートを貼ります。
この通気緩衝シートは、多数の穴が開いていて、水分や水蒸気をシートの内部に溜めて、同時に設置する脱気筒から外に逃がす工法です。
すでに、下地が水分を含んでいる場合、密着工法で施工してしまうと、ウレタン樹脂が蓋の役割になり、蒸発した水分の行き場がなくなります。
そのため、築年数が経っている建物は水分や水蒸気を含んでいる可能性があるので、通気緩衝工法がおすすめです。
ウレタン防水の密着工法の施工手順
ウレタン防水の密着工法での施工手順を紹介します。

はじめに、高圧洗浄機を使って汚れを落とします。

次は、下地処理です。
表面をサンディング(目荒らし)することで凹凸を作り、塗料が入り込みやすくなります。

ここで、破損部分があれば補正作業を行います。
補修を行わないと破損箇所から水分が侵入し防水層が劣化してしまうため、しっかりと補修します。

次に、プライマーを塗布します。
接着剤のような役割で、塗料との密着度を高めます。

いよいよ、ウレタン樹脂を塗布します。
重ね塗りをして強度をつけていくため、とても難しい工程になります。

完全に乾いたら、最後にトップコートを塗布してウレタン防水の完成です。
ウレタン工事の価格相場

では、実際にウレタン工事の価格相場をご紹介します。
工法 | 価格相場 |
密着工法 | 約5,000円~7,000円/㎡ |
通気緩衝工法 | 約3,000円~7,500円/㎡ |
ウレタン防水とFRP防水の比較については、こちらの記事をご覧ください。

ウレタン防水を長持ちさせるには

”防水面を長持ちさせたい” ”雨漏りしたくない” というのは誰もが思っていることだと思います。
ベランダの防水面は、トップコートを塗布することで、紫外線による劣化を防ぐことができます。
防水層の劣化を保護してくれるのは、「トップコート」や何より日常の掃除でベランダやバルコニーを清潔に保つことです。
定期的にトップコートの塗り替えをして、ウレタン防水を綺麗に保ちましょう。
まとめ
今回は、「ウレタン防水の基本知識から相場価格や、なぜベランダに最適なのか?」を紹介しました。
- ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を複数回塗布して施工する防水層のこと
- ウレタン防水は、柔軟性や耐衝撃性が高く、ひび割れや膨れを起こしにくいため、ベランダやバルコニー、陸屋根などの防水施工に最適
- ウレタン防水は、施工相場が約3,000円~7,500円/㎡、耐用年数も10~15年程度でコストパフォーマンスが高い
- ウレタン防水を長持ちさせるためには、定期的なトップコートを塗り替えをして防水層を守ることが大事