板金工事って聞きなれない言葉ですよね。
ここで少し説明すると、板金工事とは、金属の薄板を使用した工事のことです。
「そもそも板金工事とは何なのか?」「なぜ必要なのか?」など、さまざまな疑問が頭に浮かぶと思います。
この記事を読めば、さまざまな疑問や不安が解消できます。
- 板金工事の種類は?
- 板金工事のメリットは?
- 板金工事の費用は?
- 板金工事の業者選びのコツは?
板金工事とは一体どのようなものなのか、板金工事について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
板金工事とは?

板金工事とは、建設業の29業種のひとつであり専門工事です。
主に薄い金属板(薄もの)を加工して工作物に取り付けたり、工作物に金属製などの付属物を取り付けたりする工事です。
この工作物というのが、家の屋根や外壁、雨どいになります。
板金工事は、家の屋根や外壁、雨どいなどを保護し、耐久性を向上させる役割があります。
そのため、板金工事は建築やリフォームでは必要不可欠な工事です。
板金工事の主な種類
板金工事には、さまざまな種類があります。
ここでは屋根板金、外壁板金、雨どい板金の3つを紹介します。
屋根板金工事

屋根の板金工事は、特に雨漏り対策として重要です。
板金を使用することで雨水の侵入を防ぎ、屋根の耐久性や防水性を高めてくれます。
軽量で強度の高いガルバリウム鋼板は、地震対策にもなり、おすすめです。
外壁板金工事

板金を使用することで、長期間にわたり美しい外観を維持することができます。
外壁の板金工事は、家の外観を美しく保つだけでなく、防水性や断熱性を高める効果もあります。
ステンレスや銅板など、高品質な材料を使うと、定期的なメンテナンスの頻度を減らすことに繋がるのでおすすめです。
雨どい板金工事

雨どいに板金を使用することで、雨水の排水機能を維持します。
雨どい板金工事のポイントは、雨水が適切に流れるようにすることです。
雨どいに板金を使用することは、初期費用が他の部材を使うよりも高額になります。
しかし、メンテナンスの手間が減るため、結果的に長い目で見るとコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
板金工事と屋根工事の違い

建築板金は金属の薄板を扱う工事全般を指すのに対し、屋根工事は屋根全体を対象とした工事です。
屋根材が金属板の場合でも、屋根に施工する場合は屋根工事として分類されます。
つまり、板金屋根工事は屋根工事の1つの種類であるということです。
非常に間違えやすい内容ではありますが、板金工事は基本的に金属薄板を扱う工事のことをいい、屋根に張り付ける場合は、屋根ふき工事に分類されることを覚えておきましょう。
板金工事の依頼から工事完了まで

少しでも疑問や不安に思う点は、遠慮なく相談しましょう。
工事内容、予算、希望する工事の期間などを明確に伝えることが重要です。
工事する箇所の状態や範囲、状況を詳しく確認し、工事方法や必要な材料などを決定します。
その後、工事の内容、費用、工事の期間などが明記された見積書が提出されます。
できれば複数社から見積もりを取り、納得いくまで比較検討し、契約を結びましょう。
契約に至ると契約書が発行されます。
工事の内容、費用、工事の期間、保証期間、解約時の条件などが記載しています。
少しでも疑問点や不安があれば何でも質問し、納得した上で署名捺印をしましょう。
工事期間中は、作業の進捗状況をこまめに確認しましょう。
工事が進むにつれて新たな疑問点や要望があれば、遠慮なく業者に伝えましょう。
完成時には、保証書や施工完了報告書などが発行されるので、大切に保管しましょう。
万が一、完成後に不具合が見つかった場合、保証期間内であれば無料で対応してもらえます。
板金工事の依頼から工事完了までの流れから、気になる3つをピックアップして、説明します。
現地調査

専門業者による現地調査が重要です。
その家に合った工事計画を立てるため、屋根や外壁の劣化や破損の状態を確認します。
これにより、工事が必要か、工事が必要な場合はどういった工事を、どんな範囲で施工するか判断します。
見積もりに必要な材料の選定
家の場所や環境、デザインに合わせて最適な材料を選びます。
主に使用されている金属板の種類と相場費用、耐用年数を紹介します。
素材名 | 耐用年数 | 相場費用 | メンテナンス |
---|---|---|---|
トタン | 10~20年 | 4,500~7,000円/1㎡ | 7~10年 |
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 | 5,000~7,500円/1㎡ | 10~15年 |
ジンカリウム鋼板 | 30~50年 | 8,500~15,000円/1㎡ | 25~30年 |
エスジーエル鋼板 | 30年以上? | 約6,500円/1㎡ | 15~20年 |
ステンレス | 30~50年 | 10,000~14,000円/1㎡ | 20~25年 |
チタン | 50年以上 | 45,000~65,000円/1㎡ | 25~30年 |
銅 | 40~50年 | 18,000~23,000円/1㎡ | 25~30年 |
アルミ | 50年以上 | 12,000~18,000円/1㎡ | 25~30年 |
昔はブリキやトタンが、 よく建築板金に用いられていました。
ステンレス、チタン、銅、アルミは耐用年数が非常に長いことがわかりますが、その分施工時の費用が高額になります。
費用の割に耐用年数が長いのは、やはりエスジーエル鋼板かガルバリウム鋼板でしょう。
実際の工事の流れ(棟板金工事の場合)

今回は、実際の棟板金工事の流れを例にして、簡単にご説明します。
周りの屋根を傷つけたり、壊さないように、劣化した板金を慎重に取り外します。
棟板金を配置し、しっかりとビスで固定します。
隙間から水が入らないよう確認し、コーキングで隙間を埋めます。
すべての部分の仕上げと点検を行い、正しく施工されていることを確認して工事完了です。
板金工事のメリット

耐久性の向上
金属板は雨風に強く、木材や塗装仕上げの外壁に比べて劣化しにくいです。
また軽量なため、屋根に使用すると建物への負担を軽減できます。
地震の多い地域では、揺れによるダメージを抑えてくれるため、耐震性もアップします。
美観の改善
板金工事では、金属板を特定の形状に加工することが可能です。
金属を切断、曲げ、溶接するなどの技術を用いて、曲線や凹凸のあるデザインの実現が可能です。
独自の形状でさまざまな表現をつくり出すことができます。
メンテナンス性
板金工事では、耐久性の高い金属材料が使用されます。
これらの材料は、耐久性、耐候性、防錆性に優れており、建物を長期間にわたって保護することができます。
汚れや塗装の剥がれが生じた場合でも、洗浄や塗装の修復が比較的簡単に行え、結果的にメンテナンスの頻度を減らすことに繋がります。
板金工事を依頼するときに注意すべきポイント
板金工事で注意するべきポイントを3つ紹介します。
これらのポイントを抑えると、工事が終わった時に「ここに頼んでよかった」、「工事をしてよかった」と感じられると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
業者選びは“信頼できる”かどうか

信頼できる業者に依頼することは、非常に重要です。
ホームページや口コミサイト、SNSなどから、過去の施工事例やお客様の声を確認しましょう。
特に施工事例を見ることで、業者の技術やサービスレベルを把握することができます。
また、屋根工事においては、高所での作業になるため、資格や免許が必要となる場合があります。
資格を持った業者を選ぶことで、安全に工事をしてもらえるため、安心して任せることができます。
最近では、無料で現地調査を行ってくれる業者も多いので、何社かピックアップして、その中から自分が信頼できると思う専門業者に依頼しましょう。
費用と見積もり

適正な価格を把握するためにも、できれば2~3社から見積もりを取って比較しましょう。
見積もりには、工事内容、使用する材料、費用、工事の期間などがきちんと明記されていることを確認してください。
また、契約内容についてもしっかりと確認し、納得のいく内容で契約を結びましょう。
施工後の定期メンテナンスの重要性

工事完了後も、年に一回程度の定期的な点検をおすすめします。
なぜなら板金の劣化や破損を早期に発見し、修理することができるからです。
錆びやコーティングの剥がれなど、小さな問題を見逃さないようにしましょう。
特に台風や大雪の後には、板金の状態を確認してください。
「屋根から音がしているかも?」など、自分じゃわからない小さな異変を感じたら、放置せず専門業者による詳細な診断を受けましょう。
それにより問題点を発見しやすくなり、安心安全に暮らすことへ繋がります。
まとめ
今回の記事では板金工事の種類や工程、メリット、業者の選び方について解説しました。
板金工事と言っても、材料や工事の方法にはさまざまなパターンがありますね。
費用が適切かどうかも、信頼できる業者かどうかの判断にかかっています。
十分に理解したうえで、長い期間住む家が、これからも良い状態を保てるように計画をし、明るい未来を築きましょう。
eリフォームでは、修理のご相談、お見積りなど受け付けております。
是非お気軽にご連絡ください。
最後までご拝読いただき、ありがとうございました。