「雨押え板金ってなに?」「いつ点検すればいいの?」など、さまざまな疑問が頭に浮かぶと思います。
雨押え板金(あまおさえばんきん)とは「水切り板金」の1種で、「壁止まり板金」「雨押さえ水切り」とも呼ばれます。
屋根と外壁の取り合いの、壁際に取り付ける板金です。
名前を聞いてもピンとこないかもしれませんが、屋根のすき間から雨水が入り込むのを防ぐ、大切な金属カバーです。
雨押え板金は“防水の要”と言っても過言ではありません。
この記事では、雨押え板金の役割や劣化のサイン、メンテナンス方法まで、分かりやすく説明します。
今後のリフォームや雨漏り対策の参考に、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
雨押え板金とは?
雨押え板金とは、1階部分の屋根(下屋:げや)と2階の外壁がぶつかり合う、取り合いという接合部分に付ける金属の板です。
また、増築部分や下屋の屋根が外壁にぶつかる部分など、複雑な屋根の形をした住宅でも、よく見られます。
雨水が集中する箇所なので、雨漏りが非常に起きやすい部分です。
ただし、適切に取り付けをおこなえば、雨漏りが発生するリスクは低くなります。
雨押え板金は、サビにくくて耐久性のあるガルバリウム鋼板という金属を使用したものが多いです。
しかし、へこみや傷がつきやすく、劣化するとサビが発生することがあるため、定期的なメンテナンスをおすすめします。
雨押え板金の役割とは?

雨押え板金の主な役割は、以下の2つです。
- 雨水の侵入を防ぐ
- 雨水を屋根面へ流す
屋根と外壁の取り合い部分は、風の吹きこみや雨のはね返りにより、雨水が侵入しやすくなっています。
「だったら、取り合い部分をシーリングで完全に塞いだらいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、シーリングで塞いでしまうと、雨水が侵入してしまった場合に雨水の逃げ道が無くなってしまいます。
この取り合い部分は、ただ塞げばよいのではなく、侵入した雨水を排水する逃げ道を確保しなければなりません。
雨押え板金があることで、排水用の隙間を確保できるため、雨漏りのリスクを減らすことができます。
雨押え板金がなかったり、施工ミスがあった場合、内部の木材が雨水で腐食し、雨漏りや屋根内部の劣化を引き起こします。
「雨仕舞(あまじまい)」ってなに?

建築の現場では、「雨仕舞(あまじまい)」という言葉がよく使われます。
具体的な部位の名称ではなく、「建物に雨水が入らないようにする仕組みや工夫」を意味する言葉です。
- 屋根の端をどうやって処理するか
- 壁と屋根の取り合い部分のすき間を、どうやって塞ぐか
- 雨水が流れるように、板金をどうやって取り付けるか
こうした、細かい作業の積み重ねを「雨仕舞」といいます。
雨押え板金の劣化のサイン

次のような症状がある場合は、注意しましょう。
- 雨押さえ板金が浮いている、外れている
- 雨押さえ板金のサビや腐食が目立つ
- 雨押さえ板金のくぎやビスがゆるんでいる
- 室内に雨染みやシミがある
これらのサインを放置すると、内部の柱・断熱材の腐食や、カビ・シロアリの発生につながります。
また、修理費用も高額になる恐れがあります。
雨押え板金のメンテナンス方法

雨押え板金は、変形が少ないため比較的劣化しづらいですが、劣化するとサビや穴が空き、雨漏りの原因になります。
雨漏りが起こる前に、定期的な点検とメンテナンスをしましょう。
そこで、雨押え板金の2つのメンテナンス方法をご紹介します。
塗装
雨押え板金は、塗装をすることでサビを防ぐことができます。
①サビ落とし→②サビ止め塗料の塗装→③上塗りの塗装の手順でおこないます。
屋根や外壁の塗装メンテナンスをおこなう際に、一緒に再塗装すると安心です。
交換
雨押え板金の下には、「貫板(ぬきいた)」と呼ばれる下地の板があります。
板金がサビて穴が開いている場合・貫板が腐食している場合は、塗装では改善できないため、交換が必要です。
隙間をコーキングで埋めることもありますが、あくまでも応急処置です。
リフォームでの雨押え板金の注意点

リフォーム時によくある、雨押え板金の注意点をご紹介します。
リフォーム時は板金が「外側」に出る?
新築時には、雨押え板金の上部は外壁材の裏に隠れています。
屋根カバー工法などのリフォームでは、外壁内部に差し込むことが難しくなるため、雨押え板金が外側に見える仕上がりになることが一般的です。
「見た目が変わるなんて聞いてなかった」「こんなはずじゃなかった」といった、トラブルになりかねません。
そのため、事前に見た目が変わることを、きちんと説明してくれる業者を選びましょう。
通気層を塞がない「換気雨押え」とは
2000年以降の住宅では、外壁内部に通気層が設けられています。
「換気雨押え」という通気口付きの板金を使い、外壁内部の湿気が屋根裏へ流れるのを防ぎます。
通気層を雨押え板金で塞いでしまうと、外壁内部の湿気がこもり、カビや劣化の原因になるため、換気性能の確保は重要です。
雨押え板金はDIYできる?

コストを抑えるために、「雨押え板金をDIYで取り付けたい」と考える人もいるかもしれません。
しかし、DIYでの修理や設置はやめてください。
1階の屋根とはいえ、滑落の恐れなど危険が伴います。
また、専門知識が必要となるため、雨押え板金の工事を検討したら、必ず業者に依頼しましょう。
まとめ
雨押え板金は、屋根と外壁を守るために欠かせないパーツです。
雨水の侵入を防ぎながら、外壁内部に入った雨水の逃げ道を確保するための役割も担っています。
見た目の変化や、施工不良による雨漏り・外壁の劣化に繋がるリスクがあるため、リフォーム時は信頼できる業者に依頼しましょう。
eリフォームでは無料で現地調査を行っています。
気になる点がございましたらお気軽にご連絡ください!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。