外壁工事を調べていると、「水切り」という言葉を目にすることがあります。
外壁の水切りは、雨水や湿気から住まいを守る“最前線のガード”です。
目立たない存在ですが、水切りがなければ、外壁や家の足元に水が染み込み、建物の劣化や雨漏りを招く恐れがありあます。
この記事では、水切りの基本から種類ごとの役割、注意すべきポイントまで、わかりやすく解説します。
「うちの外壁、大丈夫かな?」と少しでも不安に思ったら、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
外壁の水切りの役割とは?

※ 画像引用:防鼠付水切り
外壁の水切りは、主に「雨水を排出し、建物内部に侵入させない」ための、金属部材です。
建物の外壁と、基礎・屋根との接合部など、雨水が溜まりやすい場所に設置します。
雨水の通り道をつくることで、外壁の内部や下地材への水の侵入を防ぎます。
それにより、建物の劣化を抑え、寿命を延ばす効果が期待できます。
外壁の水切りの種類と特徴

外壁まわりには、目的や設置場所に応じたさまざまな水切りがあります。
ここでは、主な種類をご紹介します。
土台水切り(金属水切り)
土台水切りは、外壁と建物の土台の間に設置するもので、最も基本的な水切りです。
特に、「サイディング」と呼ばれるパネル型の外壁材が使われている住宅では、必須の部材です。
土台水切りは、雨水が外壁の内部や、基礎部分に侵入するのを防ぐ役割があります。
雨が降った際、外壁を伝ってきた水を、外へと逃がす「出口」のような存在です。
また、見た目にも美しく仕上げる役割があり、外壁の下端をすっきりと見せてくれる効果もあります。
防鼠(ぼうそ)付水切り
土台水切りに、「ネズミ返し」が付いた水切りです。
床下や外壁のすき間から、小動物が入り込まないよう、メッシュ構造などで防ぐ機能があります。
水切りあご(水切り目地)
サイディング材の下部に、L字型で取り付けられる水切りです。
外壁の張り替え工事や、カバー工事に使われます。
ケラバ捨て水切り
屋根と外壁の取り合い部(ケラバ)に使用され、雨水が壁面にまわり込まないようにする部材です。
軒先水切り
屋根の軒先部分に取り付け、軒天や外壁への雨だれの侵入を防ぎます。
軒先板金についての詳しい内容については、以下の関連記事で解説しています。

雨押え水切り
外壁と屋根の接合部に使われる水切りで、特に屋根の立ち上がり部分から雨漏りを防ぐ役割を果たしています。
軒先板金についての詳しい内容については、以下の関連記事で解説しています。

外壁の水切りで使われる素材と特徴

※画像引用:アルミ製 水切り
水切りは設置場所や目的に応じて、さまざまな素材が使われます。
主な素材の特徴と、設置に適した場所を、以下にまとめました。
素材 | 特徴 | 設置に適している場所 |
---|---|---|
アルミニウム | 軽量でサビにくく加工しやすい 価格は比較的安い | 軒先水切りや土台水切りなどの、広範囲 |
ステンレス | 耐久性・耐食性が非常に高い 長持ちするが価格はやや高い | 雨量の多い地域や、腐食しやすい場所 |
樹脂(塩ビ) | 金属より劣化しやすいが扱いやすい 施工が簡単で価格も安い | 一時的な補修や、目立たない箇所 |
選ぶ素材によって、耐用年数や価格が変わるため、設置場所や使用環境に応じて、選定することが重要です。
また、見た目の印象も変わるため、外壁全体のデザインとの調和もポイントになります。
外壁の水切りの交換が必要なケースとは?

水切りも金属製品である以上、年月とともに劣化していきます。
以下のような症状が見られたら、交換や補修を検討しましょう。
- サビや腐食が目立つ
- 水切りが外れている・すき間ができている
- 雨のたびに外壁に水が伝っている
- 水切りから雨水が溢れている
また、外壁のリフォーム時には、水切りも一緒に点検・交換するのが一般的です。
外壁の水切りの交換・設置にかかる費用は?

交換費用は、設置する場所や長さ、素材によって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
内容 | 費用の目安 |
---|---|
水切り単体の交換(1か所) | 約5,000円~ |
外壁リフォーム時の水切り新設(10mあたり) | 約15,000円~ |
防鼠付きなどの特殊タイプ | +5,000円程度 |
劣化の初期段階では、表面の塗装を補修することで、状態を維持できる場合があります。
塗装の剥がれや軽度のサビであれば、再塗装によるメンテナンスで費用を抑えることが可能です。
その場合、1か所あたり3,000円~塗装補修できます。
しかし、金属部分に穴が開いていたり、変形や腐食が進んでいる場合は、交換工事が必要になります。
放置すれば、外壁内部までダメージが広がってしまうため、劣化のサインに気づいたら早めの点検が大切です。
外壁の水切りはDIY・後付けができる?

外壁の水切りは、雨仕舞(あまじまい)の重要な役割を果たす部材のため、後付けすることは可能ですが、DIYでの施工はおすすめできません。
DIYはおすすめできない理由
外壁の水切りの取り付けには、外壁材の切断や一部の取り外し、金具の角度調整、防水処理(コーキング)が必要です。
これらは、プロの技術と経験が必要な工程であり、誤った施工は雨水の逆流や浸水の原因となります。
また、外壁材との接合部を破損した場合、外観や耐久性の問題につながるため、安易なDIYは避けましょう。
後付け工事はタイミングが大切
外壁の水回りの設置は、後付けリフォームとして対応可能です。
特に、以下のようなタイミングでの設置がおすすめです。
- 外壁塗装や張り替えと同時に行う(見た目が自然に仕上がる)
- 雨染みや湿気が気になる部分の、改善策として取り入れる
- 水はけを良くして、外壁材や下地の劣化を防ぎたい場合
後付けの際も、建物の構造や外壁の素材、既存の雨仕舞の状況に合わせた施工が必要です。
トラブルを防ぐためにも、専門業者に相談のうえ、施工を依頼することが大切です。
まとめ
- 外壁の水切りには複数の種類がある
- 劣化やサビが見られたら交換を検討
- 雨漏りや劣化を防ぐためにも、専門業者に相談がおすすめ
水切りは、見落とされがちな存在ですが、雨水の侵入を防ぐ大切な役割を担っています。
外壁のリフォーム時や、雨だれが気になる場合は、水切りの点検も忘れずに行いましょう。
eリフォームでは無料で現地調査を行っていますので、気になる点がございましたらお気軽にご連絡ください!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。