築30年のお宅で、雨どい交換工事・ベランダ防水工事とあわせて、棟瓦の積み直しをご依頼いただきました。
経年劣化で棟瓦がズレていたため、屋根のてっぺん（大棟）と斜め部分（下り棟）の積み直し工事を行いました。
棟の形に合わせて丁寧に仕上げ、屋根全体がすっきりとした印象に生まれ変わっています。
こちらでは、実際に行った棟瓦積み直しの施工事例をご紹介します。
埼玉県草加市｜棟瓦積み直し（施工前）
現地調査の結果、短い大棟1本と、そこから斜めに伸びる下り棟4本の計5カ所で劣化が確認されました。
左の写真では、施工箇所を色分けして示しています。
赤線部分が大棟（だいむね）、青線部分が下り棟（くだりむね）です。
漆喰のひび割れや欠落、釘の浮きや抜けが各所で見られ、棟瓦の固定力が低下していました。
このまま放置すると棟のズレや落下、さらには雨漏りにつながる恐れがあるため、棟瓦の積み直し工事を実施しました。
屋根の「棟」については、以下の関連記事で詳しく説明しています↓
埼玉県草加市｜棟瓦積み直し（施工中）
今回は、下り棟1カ所の積み直しを例に、工程ごとにご紹介します。
下り棟の既存瓦を、一枚ずつ丁寧に取り外し、劣化した漆喰や葺き土も撤去しました。
内部の葺き土は湿気で黒ずみ、長年の風雨で劣化している様子が見られました。
棟の中心には「心木（しんぎ）」と呼ばれる木材が通っており、棟瓦を固定する際の芯となる重要な部分です。
心木の状態が悪いままだと、釘を打っても固定が効かず、瓦がずれる原因になります。
この心木が腐食していたため、新しい木材に交換しました。
強化棟金具を設置し、しっかり固定したうえで、心木と金具を包み込むように漆喰を詰めて土台を整えます。
棟芯（屋根の中心線）に沿ってまっすぐに並べ、ビスで確実に固定しました。
その後、棟瓦の側面と合わせ目に新しい漆喰を丁寧に塗りこみ、雨水が入らないように仕上げています。
漆喰は見た目の美しさだけでなく、防水性にも大きく関わるため、厚みや乾燥具合を確認しながら施工しました。
棟瓦のラインを確認し、漆喰の仕上がりや固定状態を点検しました。
ズレや浮きがないかを細かくチェックし、屋根全体の清掃を行って作業完了です。
埼玉県草加市｜棟瓦積み直し（施工後）
漆喰を新しく詰め直したことで、白く美しい棟に仕上がりました。
また、心木を交換したことで強度が戻り、棟瓦がしっかり固定されています。
これにより、強風や大雨にも耐えられる屋根になりました。
埼玉県草加市｜棟瓦の積み直しの概要
| 工事内容 | 棟瓦の積み直し（大棟・下り棟 計5カ所） |
|---|---|
| 工事期間 | 3日～（1か所あたりの作業は1日） |
| 工事費用 | 40万円～ |
| 工事箇所 | 大棟1本・下り棟4本 |
| 使用部材 | 棟瓦・心木・漆喰・強化金具 |
担当者コメント
棟瓦は、屋根の中でも特に風や雨の影響を受けやすい場所です。
築年数が経つと、漆喰の劣化や釘の浮きが進み、見た目以上に内部が傷んでいることがあります。
今回は、大棟と下り棟あわせて5カ所の積み直しを行い、心木の交換と漆喰詰めを丁寧に施工しました。
見た目もきれいに整い、屋根全体の強度も安心できる状態になりました！
少しでもひび割れやズレが気になる場合は、早めの点検・修理をおすすめします。
