ダイカポリマーの雨樋は、かつて戸建て住宅や集合住宅で広く採用されていた、樹脂製雨樋です。
価格が安く入手しやすいことから、ホームセンターなどを通じて普及し、多くの住宅に取り付けられてきました。
しかし、同社はすでに倒産しており、新品として入手するのは難しいのが現状です。
現在、ダイカの雨樋を使っている住宅では、破損や劣化に伴う交換時に、注意が必要になります。
この記事では、ダイカ雨樋の特徴や現在の流通状況、そして交換を検討する際の代替メーカーについて解説します。
ぜひ、最後まで読んでいただけると幸いです。
ダイカポリマーとは

※画像引用:ダイカポリマー株式会社(カタログ)
ダイカポリマー(株)は、かつて樹脂製建材を手がけていたメーカーで、雨樋製品を中心に住宅分野で幅広く普及していました。
塩化ビニル樹脂(PVC)を用いた雨樋は、軽量で施工しやすく、コストを抑えられることから、新築やリフォームに多く採用されてきました。
しかし、同社は経営悪化により2017年に民事再生法の適用を申請し、その後再建は難しく、事実上の倒産に至っています。
現在では新規生産が行われておらず、ホームセンターなどの流通ルートで新品を入手することはほぼ不可能です。
ダイカ雨樋の特徴

※画像引用:ダイカポリマー株式会社(カタログ)
ダイカ雨樋の最大の特徴は、価格が安く、入手しやすかった点にあります。
樹脂製で軽量なため施工が容易で、住宅メーカーや工務店でもコストを抑えた建材として多く採用されました。
そのため、特に建売住宅や分譲住宅では、ダイカ雨樋が広く普及していたと言われています。
さらに、ダイカ雨樋に使われていたPVC(塩化ビニル樹脂)は、軽量で加工しやすく低コストで提供できる素材でした。
一方で、紫外線や気温差に弱い性質があり、長期間使用すると割れや変形が起こりやすいという弱点もあります。
こうした素材の特性が、現在多くの住宅で交換を検討する理由のひとつです。
外観上の特徴として、部材に「DK」という刻印が入っていることが多く、現在ダイカ雨樋を使っているかどうかを判断する目安となります。
もし、自宅の雨樋にこの刻印がある場合は、ダイカ製品が使われている可能性が高いでしょう。
ダイカ雨樋の流通状況

※画像引用:クリモトポリマー株式会社
すでに生産が終了しているため、基本的に新品の入手は困難です。
倒産後も、一部では倉庫在庫や中古市場で見かけることはありますが、継続的に入手できる状況ではありません。
また、中古品や長期保管されていた在庫品は、すでに樹脂の劣化が進んでいる可能性があります。
取り付けられたとしても、耐久性に不安が残るため、部分的な補修は現実的ではなく、最終的には全体交換を検討するのが安心です。
特に、部分交換が必要になった際、同じ規格の部材を探すのはほぼ不可能に近く、その結果、全体交換に至るケースもあります。
現在、ダイカ雨樋を使用している住宅では、この点を理解しておく必要があります。
なお、ダイカポリマーの事業は倒産により終了しましたが、その後一部の樹脂建材事業はクリモトポリマー(株)に譲渡されました。
ただし、雨樋製品については継続的な製造は確認されておらず、現在も新品の入手は難しい状況です。
ダイカ雨樋の代替候補

現在ダイカ雨樋を使用している場合、交換時には他メーカーの製品を選ぶことになります。
代表的な選択肢は、以下の通りです。
- セキスイ(エスロン)
樹脂製雨樋の代表格で、ラインナップが豊富。
コストと性能のバランスが良い。 - あわせて読みたいセキスイのエスロン雨どいとは?特徴と価格相場をわかりやすく解説! 「エスロン」は積水化学工業株式会社が展開する建材ブランドで、配管や住宅資材など幅広い分野で採用されています。 その中でも、住宅の排水に欠かせないのが「エスロン…
- デンカアステック
こちらも樹脂製。
施工性が高く住宅メーカーで広く採用されている。 - あわせて読みたいデンカの雨樋とは?特徴・メリットデメリット・他社との違いを解説! 雨樋は住宅の耐久性を守る大切な部材ですが、メーカーや製品によって特長や価格帯は大きく異なります。 その中でデンカアステック(株)は、コストパフォーマンスの高さと…
耐久性とデザイン性を兼ね備えた製品。
価格はやや高めだが安心感がある。- あわせて読みたいパナソニックの雨どい「シビルスケア」とは?pc50・pc77の違いを解説 パナソニックの雨どいシリーズの中でも、高強度でデザイン性に優れた製品が「シビルスケア」です。 角型のシャープなラインと頑強な構造を兼ね備えており、一般住宅だけ…
ステンレスや銅など金属製の雨樋を展開。
価格は高いが長寿命。- あわせて読みたい【タニタの雨樋を徹底解説】素材別の特徴と価格を紹介します! 雨樋は、住宅の寿命を左右する重要な建材ですが、メーカーごとに素材や性能は大きく異なります。 その中で、タニタハウジングウェア(株)は、金属建材を幅広く扱うメーカ…
このように、現行で入手できるメーカー製品に交換することで、メンテナンス性や将来の安心感を確保することができます。
まとめ
ダイカポリマーの雨樋は、かつて価格の安さと施工性の高さから広く普及していました。
しかし、すでに会社は倒産しており、新品の入手は困難になっています。
現在ダイカ雨樋を使用している住宅では、破損や劣化時に同じ部材で修理するのは難しく、全体交換が必要になるケースが多いでしょう。
交換時には、セキスイやデンカといった樹脂製の雨樋、あるいはパナソニックやタニタなど金属製の雨樋を代替候補として検討することが大切です。
自宅の状況や予算に応じて、適切なメーカーを選び、長期的に安心できる住まいづくりを心がけましょう。
迷ったときは専門業者に相談し、最適な素材やメーカーを選ぶことをおすすめします。
eリフォームでは無料で現地調査を行っています。
お住まいやご希望に合わせた最適なご提案をいたしますので、気になる点がございましたらお気軽にご連絡ください!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。