屋根のてっぺんにある「棟板金(むねばんきん)」は、強風や雨から住まいを守る重要なパーツです。
しかし、経年劣化や自然災害の影響で、棟板金を固定している釘が浮いてきます。
「釘が少し浮いているだけ」と油断していると、気づかないうちに被害が拡大してしまいます。
この記事では、棟板金の釘浮きがどういう状態なのか、放置するとどうなるのかを、わかりやすく解説します。
大切なお住まいを守るためにも、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
棟板金の「釘浮き」とは?

棟板金とは、屋根のてっぺんにある「棟」を覆っている金属製のカバーです。
屋根材のつなぎ目を覆い、雨水の侵入を防ぐ大切な役割を持っています。
この棟板金を固定しているのが「釘」です。
この釘が年数の経過とともに少しづつ浮いてくる現象を「釘浮き」といいます。
見た目では小さな変化かもしれませんが、実は釘浮きが雨漏りや屋根材の腐食など、屋根のトラブルの入り口になることもあります。
「風が吹くとバタバタ音がする」「屋根から雨漏りが発生した」といったトラブルで、ようやく気づくケースも少なくありません。
下の記事では棟板金の役割・劣化のサイン・修理費用など、詳しく説明しています!

釘浮きが起こる原因は?

棟板金の釘浮きには、いくつかの原因があります。
- ①金属と木材の膨張・収縮
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棟板金は金属、釘は鋼材、下地の貫板は木材でできており、それぞれ温度変化に応じて伸び縮みします。
昼夜や季節の寒暖差によって、釘が徐々にゆるみ、最終的に抜けてしまうのです。
特に日当たりがよい家は、板金が膨張しやすく、釘が外れやすくなっています。
- ②台風・地震などの衝撃
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屋根は、建物の中でもっとも風の影響を受ける場所です。
台風や突風、あるいは地震などの揺れによって板金がわずかに動き、釘がゆるむケースもあります。
- ③貫板の劣化や腐食
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棟板金の釘は、「貫板(ぬきいた)」という木製の下地材に打ち込まれています。
貫板が雨水や湿気で腐食すると、釘の固定力が失われ、スルスルと抜けやすくなってしまいます。
棟板金の釘浮きを放置するとどうなる?

釘が浮いたまま放置していると、以下のような問題が発生します。
- 雨漏りが発生
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釘が浮くことで、棟板金がわずかに浮き上がり、すき間ができます。
そこから雨水が入り込むと、屋根の構造材に水が染み込み、やがて天井や壁に雨漏りとして現れます。
- 板金が落下する危険性
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釘が浮いたままでは、棟板金はしっかり固定されていません。
台風のような強風時には、板金がめくれたり、最悪の場合は飛んでしまうことがあります。
人や車に落下したり、隣の家に衝突したり、大きな事故につながりかねません。
- 修理費用が高額になる
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雨漏りや、屋根材の内部にまで腐食が進んでしまうと、大がかりな工事が必要になります。
初期段階なら数万円で済む修理も、10万円以上の費用がかかることもあります。
早めの点検と修理で、トータルコストを抑えましょう。
棟板金の釘浮きを見つけたらどうすべき?

まず大切なのは、ご自身で屋根に上らないことです。
落下などの危険があるため、専門業者による点検を依頼しましょう。
初期症状のうちに修理をすれば、補修費用は1~3万円程度で済むことがほとんどです。
一方で、棟板金が落下してしまった場合には、周辺の屋根材まで被害が広がることもあり、出費が10万円を超えます。
釘浮きの修理方法と相場費用

棟板金の代表的な修理方法を3つご紹介します。
- 釘の打ち直し
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浮いた釘を打ちなおして、再固定する最も簡易な方法です。
ただし、再び浮いてくるリスクがあります。
- ビスへの交換
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釘よりも抜けにくい、ビスに交換することで浮きを防止します。
現在、多く施工されている方法です。
- 貫板の交換+棟板金の一部交換
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貫板が劣化している場合は、貫板ごとの交換が必要です。
耐久性の高い樹脂製の貫板を選ぶと、長持ちしやすくておすすめです。
相場費用

修理内容 | 相場費用 |
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釘の打ち直し・ビス交換 | 10,000~ |
貫板+棟板金の部分交換(3~5m) | 50,000~ |
棟板金の全交換 | 100,000~ |
※別途、足場費用がかかります。
棟板金の釘浮きはいつ対策すべき?災害後と築年数がポイント

棟板金の釘浮きは、放置すると雨漏りや板金の落下など、重大な被害につながる恐れがあります。
では、具体的に「いつ」対策を行うべきなのでしょうか?
ポイントとなるのは、築年数と自然災害のあとです。
以下のような場合は、棟板金の釘浮きが疑われます。
- 築10年以上が経過している
- 台風・強風・地震のあと
- 天井に雨染みがある
- 屋根からバタバタと音がする
早期発見・早期対応で、大切なお住まいを守りましょう。
まとめ
釘浮きは、屋根のトラブルの前兆ともいえる現象で、早期対応が大切です。
「たった1本の釘のゆるみ」から、大きな雨漏りや高額な修理費用につながることもあります。
築年数や異音が気になる場合は、早めに業者に相談し、点検をおこないましょう。
eリフォームでは無料で現地調査を行っています。
気になる点がございましたらお気軽にご連絡ください!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。