「オーバーフロー」とは、本来スムーズに流れるはずの雨水が、雨樋からあふれてしまう現象です。
特に大雨や台風のとき、軒先から滝のように水が落ちてくる光景を見たことはありませんか?
それは、雨樋がうまく排水できず、オーバーフローを起こしている状態です。
たとえ普段は気づかなくても、オーバーフローは家にとって大きなダメージとなることがあります。
この記事では、オーバーフローの原因、放置のリスク、そして対策までを、できるだけやさしく解説します。
住まいを守るための参考に、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
雨樋のオーバーフローとは?

オーバーフローとは、本来流れるべき雨水が、雨樋からあふれてしまう状態です。
通常、屋根に降った雨水は、雨樋を通って排水される仕組みです。
しかし、何らかのトラブルでうまく排水できないと、雨樋から雨水があふれ出してしまいます。
この状態が続くと、外壁が汚れたり、劣化が早まったり、最悪の場合は雨漏りに発展することもあります。
下記の「雨どい」の関連ページも、ぜひ併せてご覧ください!

オーバーフローする主な原因

雨樋のオーバーフローには、以下のような原因があります。
- 落ち葉やゴミの詰まり
- 雨樋の勾配不良やたわみ
- 排水口や竪樋(たてどい)の詰まり
- 一時的な豪雨やゲリラ豪雨
①落ち葉やゴミの詰まり
雨樋の詰まりは、オーバーフローの最も多い原因です。
軒樋(のきどい)に落ち葉や泥、鳥の巣などがたまると、雨水の通り道がふさがれてしまいます。
特に、周囲に木が多い住宅では要注意です。
②雨樋の勾配不良やたわみ
雨樋は、少しだけ傾斜がつけられていて、重力を利用して水が流れる仕組みです。
しかし、経年劣化や施工不良でこの傾きが狂うと、水がうまく流れず、途中で溜まってあふれ出してしまいます。
③排水口や竪樋(たてどい)の詰まり
軒樋から流れた水は、呼び樋(よびどい)や集水器を通って竪樋へと流れていきます。
ここが詰まると、水が逆流し、あふれる原因となります。
下記の「竪樋」「呼び樋」の関連ページも、ぜひ併せてご覧ください!


④ゲリラ豪雨
雨樋に問題がなくても、一時的に降水量が多すぎると、排水処理が追い付かずオーバーフローすることもあります。
これは、設備の許容以上の雨が降ったケースで、近年の気候変動により増えています。
雨樋のオーバーフローを放置するリスク
オーバーフローを「よくあること」「すぐ止んだから大丈夫」と放置してしまうと、以下のような深刻な被害につながる恐れがあります。
外壁の劣化・カビの発生

あふれた水が外壁をつたって流れると、外壁材が劣化したり、カビやコケが発生する原因になります。
特にモルタルや、窯業系サイディングは吸水しやすいため、傷みやすくなります。
【窯業系サイディングとは?】
セメントと繊維などを混ぜて、板状にした外壁材。
現在の住宅でよく使われていて、デザインが豊富で価格も比較的手ごろなのが特徴。
基礎への影響・雨漏りリスク

オーバーフローした雨水が地面に大量に落ちると、基礎まわりの土を流し、建物の沈下や雨漏りリスクにつながることもあります。
特に内樋(うちどい)の場合は、屋根裏や壁の中で漏水が進行し、発見が遅れがちです。
害虫・湿気の原因

湿った環境は、シロアリや蚊など害虫にとって好都合です。
湿気がたまると、家全体の空気環境も悪化します。
雨樋のオーバーフロー対策は早めがカギ!

オーバーフローを防ぐには、定期的な点検とメンテナンスがとても重要です。
- 専門業者による点検・清掃
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雨樋の点検は、専門のリフォーム業者や屋根業者に依頼するのが安心です。
詰まりのチェック、傾きの確認、部品の劣化など、プロの目でしっかりみてもらいもらいましょう。
- ゴミ除けネットや落ち葉よけの設置
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詰まりを防ぐために、雨樋に「落ち葉除けネット」を設置するのも効果的です。
ゴミがたまりにくくなるので、メンテナンスの頻度が落ちます。
- 劣化した部材の交換も検討
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たわみや割れなどが見つかった場合は、部分的な補修や部材の交換も検討しましょう。
集水器や呼び樋、継ぎ手なども劣化します。
雨樋の種類によって寿命や耐久性が違う

画像引用:(株)タニタハウジングウェア・積水化学エスロンタイムズ
オーバーフロー対策を検討する際は、雨樋の素材にも注目しましょう。
素材 | 特徴 | 耐用年数 | 費用相場(1mあたり) |
---|---|---|---|
塩化ビニール樹脂 | 最も一般的 軽量で扱いやすい | 約20年 | 約500円~ |
ガルバリウム鋼板 | サビに強く耐久性◎ | 約25~30年 | 約1,500円~ |
ステンレス | 高耐久・高価格 | 約30年~ | 約2,000円~ |
銅 | 美観◎ 高価格・酸性雨に弱い | 約30年~ | 約3,000円~ |
トタン | 昔ながらでサビやすい | 約10~15年 | 約800円~ |
素材によって、価格・メンテナンス頻度が変わります。
今後のリフォーム計画にも関わってくるため、あわせて確認しておきましょう。
まとめ
雨樋のオーバーフローは、放置すると外壁や基礎、家の内部にまで深刻な被害をもたらす可能性があります。
「雨の日だけだから」と軽く見ずに、違和感があれば早めに点検・修理を依頼することが、住まいを長持ちさせるカギです。
特に築10年以上経ったお家や、周りに木が多い環境では要注意です。
気になる人は、ぜひ専門業者にご相談ください。
eリフォームでは無料で現地調査を行っていますので、気になる点がございましたらお気軽にご連絡ください!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。