雨樋の素材に、「SUS(ステンレス)」があることをご存知でしょうか?
一般的な塩化ビニール樹脂やガルバリウム鋼板製の雨樋と比べると、見かける機会は少ないかもしれません。
しかし、耐久性や見た目の美しさに優れた素材として、注目されています。
特に、長持ちする雨樋を求める人や、高級感のある外観を重視したい人にとっては、SUS雨樋は非常に魅力的な選択肢です。
この記事では、SUS雨樋の特徴やメリット・デメリット、他の素材との違いについて、初心者にもわかりやすく解説します。
ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
SUS(ステンレス)雨樋とは?

※画像引用:(株)タニタハウジング
建物を雨水から守るために、欠かせないのが雨樋(あまどい)です。
その中でも、「SUS雨樋」と呼ばれるステンレス製の雨樋は、耐久性の高さから近年注目されています。
「SUS」とは、ステンレス製を意味するJIS規格の略称です。
一般的に「SUS304」などの表記で見かけることが多く、強度・耐食性に優れた素材として知られています。
【JIS規格(日本産業規格)とは?】
日本で使われる、製品や材料の品質や寸法、性能を統一するためのルール。
「SUS」はこのJIS規格で定められた、ステンレス材の記号。
下記の「雨どい」の関連ページも、ぜひ併せてご覧ください!

SUS雨樋の特徴とメリット
SUS雨樋は、その素材特性から非常に高い性能を発揮します。
特に、以下の3つのポイントが大きなメリットです。
高い耐久性と長寿命

ステンレスはサビに強く、長期間にわたって劣化しにくい素材です。
雨や風、紫外線など過酷な環境にさらされる雨樋でも、20年以上の耐用年数が期待できます。
特に、塩害地域や豪雪地域などでも腐食の心配が少なく、雨や雪、日差しにも強い性質があります。
火に強い不燃性

ステンレスは不燃性の金属素材のため、火災時にも燃えにくいという特徴があります。
万が一の災害対策として、安心材料のひとつになります。
美しい光沢と高級感

光沢のあるステンレスは、見た目にもスタイリッシュで高級感があります。
モダンな住宅やデザイン住宅との相性が良く、外観にこだわる人からの支持も高い素材です。
ただし、細部まで美しく仕上げるには、専門的な加工技術も重要になります。
SUS雨樋の注意点とデメリット
性能の高いSUS雨樋にも、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
コストが高め

ステンレスは、他の雨樋素材(塩化ビニール樹脂やガルバリウム鋼板)に比べて、品質価格・施工費用ともに高い傾向があります。
長持ちすることを考えれば、コスパは悪くないものの、初期費用は比較的高くなります。
加工の難易度が高い

ステンレスは非常に硬い金属で、現場での加工がしにくいため、施工には熟練の技術が求められます。
その分、施工費用がやや高くなる可能性があります。
SUS雨樋と他の雨樋素材の違いは?

画像引用:(株)タニタハウジングウェア・積水化学エスロンタイムズ
雨樋にはさまざまな素材があります。
それぞれの「耐久性・特徴」を知っておくと、選びやすくなります。
素材 | 耐久性の目安 | 特徴 | 費用の目安 (1mあたり) |
---|---|---|---|
塩化ビニール樹脂 | 約10~15年 | 軽量で価格が安い 耐久性はやや劣る | 約500円~ |
ガルバリウム鋼板 | 約20年 | サビにくく軽量 コスパがよく人気 | 約1,000円~ |
SUS(ステンレス) | 約30年以上 | 丈夫でサビにくい 価格は高いが長寿命 | 約2,000円~ |
銅 | 約40年以上 | 経年で緑青が現れる 価格は高い | 約4,000円~ |
「緑青(ろくしょう)」とは、銅の表面にできる青緑色の膜で、酸化によって自然に形成されます。
これが、雨水などから素材を守ってくれる天然の保護膜となり、銅製の雨樋が長寿命とされる理由のひとつです。
SUS雨樋が向いている住宅とは?

※画像引用:株式会社オーティス
SUS雨樋は、耐久性や美観の美しさを兼ね備えた素材ですが、すべての住宅に向いているわけではありません。
例えば、以下のような住宅に、特におすすめです。
- 塩害地域・積雪地域の住宅
-
サビや腐食に強いため、沿岸部や雪の多い地域に適しています。
- 高耐久・長寿命を求める住宅
-
一度設置すれば長期間使えるため、建て替えを視野に入れていないご家庭におすすめです。
- スタイリッシュな外観を目指す住宅
-
金属の質感が映えるので、デザインにこだわりのある注文住宅や、モダン住宅に人気があります。
耐久性を重視したい人や、長く使いたい人には、SUS雨樋は非常に適した選択肢です。
SUS雨樋の費用相場と選ぶ時の注意点

高性能なSUS雨樋ですが、導入コストは比較的高めです。
一般的に、1メートルあたり約2,000円~が相場とされています。
30メートル設置する場合は、約60,000円~が目安です。
ただし、導入時には以下の点に注意が必要です。
- 一般的な住宅と比べて費用がかかるため、コストとメリットを慎重に比較する必要があります。
- 重量があるため、建物構造によっては補強や調整工事が必要なケースもあります。
長く使うことを前提とした素材選びが、結果的にコストを抑えることにもつながります。
専門業者と相談しながら、ライフスタイルに合った素材を選びましょう。
まとめ
SUS雨樋は、耐久性・耐食性に優れ、美観や機能性の両面でメリットの大きい素材です。
初期費用は高めですが、メンテナンス頻度が少なく長寿命なため、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
特に沿岸部や豪雪地帯、またスタイリッシュな外観を重視する住宅にぴったりの素材です。
雨樋の素材を選ぶ際には、SUS(ステンレス)の特性を理解したうえで、適した施工業者に相談してみてください。
eリフォームでは無料で現地調査を行っていますので、気になる点がございましたらお気軽にご連絡ください!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。