「樋(とい)」って聞いたことはあるけど、どこにあるもの?
「板金(ばんきん)」って金属のこと?
家の外側にあるため、普段は目にすることも少なく、あまり意識しませんよね。
ですが、どちらも家を雨から守るために欠かせない存在です。
この記事では、「樋」と「板金」の基本からトラブル例など、知識がなくても安心して読めるように、やさしく解説します。
家のメンテナンスに関心のある人や、そろそろ点検を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
「樋(とい)」ってどんな働きをしているの?

樋とは、屋根に降った雨水を集めて、スムーズに地面へ流すためのパイプです。
「雨樋(あまどい)」と呼ばれることも多いです。
屋根のふちをぐるりと囲む「横の樋(軒樋)」と、地面に向かってまっすぐ伸びる「縦の樋(竪樋)」があり、それぞれで役割を分担しています。
もし樋がなければ、屋根から流れ落ちた水が外壁や地面を直撃し、外壁の劣化や家の土台部分が傷む原因になります。
つまり、樋は「家を静かに守ってくれる、水の通り道」です。
下の記事では雨樋の基本知識から劣化しやすい部分について、詳しく説明しています!
雨樋に関する詳しい記事はこちら!

「板金(ばんきん)」って家のどこにあるの?

板金とは、屋根や外壁の一部に取り付けられた、薄い金属板のことです。
主に、鉄やガルバリウム鋼板などが使われ、雨や風の侵入を防ぐ重要なパーツです。
棟(むね)や谷など、屋根の接合する部分や外壁のすき間、窓まわりなど、実際には家のいたる所に使われています。
また、外からの見た目を綺麗に整える役割もあります。
屋根を守る板金の種類と役割
屋根を守る板金には、いくつかの種類があります。
以下は代表的な3種類です。
屋根板金の種類 | 使われる場所 | 役割 |
---|---|---|
棟板金(むねばんきん) | 屋根の頂点・てっぺん | 家の中への雨水や風の侵入を防ぐ |
谷板金(たにばんきん) | 屋根同士が交じり谷になる部分 | 屋根に降ってきた雨水や雪を流す |
水切り板金(みずきりばんきん) | 屋根の軒先や壁際 | 屋根と外壁のすき間から雨水が侵入するのを防ぐ |
さらに、それぞれを詳しく紹介します。
棟板金とは

戸建て住宅の屋根の1番高いところ、いわば「屋根のてっぺん」の部分を棟(むね)と呼びます。
この「棟」についている金属カバーが「棟板金(むねばんきん)」です。
屋根同士が合わさる部分には隙間が生じてしまうため、その隙間を保護し、屋根同士を固定する役割があります。
貫板(ぬきいた)という下地材をあて、その上から、金属板を被せるという仕組みになっています。
「内部に使用する貫板によって、棟板金の不具合は起こることが多い」と言われるほど、貫板は重要な部材です。
下の記事では棟板金の役割や劣化のサイン、修理費用などを詳しく説明しています!
棟板金に関する詳しい記事はこちら!

谷板金とは

屋根の形によっては、雨水が「くぼみ」に集まりやすくなる構造があります。
そのくぼみ部分に取り付けられているのが、「谷板金(たにばんきん)」です。
雨樋と同じ役割を持つため、「谷樋(たにどい)」と呼ばれることもあります。
谷板金は、屋根と屋根がV字型に交わって谷になる部分にあり、雨水を下に流すための大切なルートです。
ここが傷んだり、落ち葉で詰まったりすると、水があふれて雨漏りを引き起こす恐れがあります。
特に、瓦屋根や複雑な形をした屋根の家では、複数の面から雨水が集まるため、要注意です。
板金の中でも劣化しやすい部分のため、定期的な点検がとても大切です。
水切り板金とは

水切り板金(みずきりばんきん)とは、家を水から守っている「屋根」や「外壁」をサポートする存在です。
雨水が建物の中へ侵入することを防ぐ役割があり、屋根のデザイン性も保っています。
住まいのいたるところに取り付けられており、その場所によって種類や名前、取り付け方が異なります。
屋根に取り付ける水切り板金は5種類、屋根以外に取り付ける水切り板金は2種類あります。
今回は、屋根に取り付ける水切り板金の中から、2つ紹介します。
【雨押さえ水切り板金】
1階部分の屋根と、2階の外壁が接合する部分に設置
⇒外壁より流れた雨を、屋根面へ流す
【軒先水切り板金】
軒先(棟から斜面を下った屋根の先端)に設置
⇒屋根から伝わる雨水を雨樋に伝える
水切り板金は、建物を守る縁の下の力持ち的な存在と言えるでしょう。
板金が劣化しているサインとは?

板金が傷んでいるかどうかは、意外と身近な変化で分かることもあります。
- 金属部分がサビている
- 釘やネジが浮いている
- 雨が降ったときに、音が以前より大きく感じる
- 天井や壁にシミが出てきた
こうした変化がある場合、板金が劣化している可能性があります。
特に、棟板金の浮きやズレは、強風で飛んでしまう事態につながり危険です。
放っておかず、専門業者に相談しましょう。
よくある樋のトラブルとその影響

長年の使用により、さまざまな不具合が出て、家に悪影響を与えます。
ゴミ詰まり・割れ・外れに注意
台風や強風のあとには、樋に落ち葉や土がたまり、水がうまく流れないことがあります。
また、経年劣化によって割れてしまったり、樋そのものが外れてしまうケースも少なくありません。
よくあるトラブルの内容と、それによって起こる影響を、簡単な表にまとめました。
トラブル内容 | 起こる影響 |
---|---|
樋が割れている | 雨水があふれ、外壁が汚れることも |
樋を固定する金具が外れている | 樋が曲がり、水が正しく流れない |
樋の中にゴミや落ち葉が詰まっている | 雨水が逆流し、屋根や壁を傷める |
樋が外れている | 雨水が直接落ち、地面や足元が濡れる |
樋の角度がずれている | 水が流れず、コケやサビの原因に |
雨の日に樋から水があふれていたら注意
雨の日は変化に気づきやすいタイミングです。
- ポタポタ、バシャバシャと音がする
- 玄関前や庭にいつも水が溜まっている
- 雨樋のつなぎ目から水が漏れている
特に注意すべき症状は、「静かすぎる雨」です。
本来、少しは水の流れる音がするはずなのに、無音すぎる場合は詰まりのサインかもしれません。
樋・板金の修理費用の相場と工事の流れ
「業者に頼むとどれくらい費用がかかるの?」
「工事が決まったらどのような流れで進めていくの?」
さまざまな疑問が、頭に浮かぶと思います。
建物の高さや劣化状態、立地条件などにより変動しますが、一般的な相場費用と工事の流れをご紹介します。
相場費用

工事内容 | 費用相場 |
---|---|
樋の詰まりを除去 | 5,000~ |
樋の部分交換 | 10,000~ |
樋の全交換(1軒分) | 100,000~ |
板金の補修 | 20,000~ |
棟板金の交換 | 4,000~/㎡ |
棟板金の全交換(10~20㎡) | 5,000~ |
足場設置(必要な場合) | 100,000~ |
部分補修だけで済む場合は、数万円に収まることもありますが、全体交換になると、10万円以上になることが多いです。
足場代は、工事内容に含まれない場合が多く、費用を押し上げる要因になるので、よく確認しましょう。
工事の基本的な流れ

職人が家を見て、「どこが悪いのか」「どんな工事が必要か」を調べます。
調査の結果をもとに、工事の内容と費用をわかりやすく説明します。
まわりを汚さないようにカバーをしたり、必要であれば足場を組んだり、安全に作業できるように準備します。
壊れた樋を新しいものに交換したり、傷んだ板金部分を張り替えます。
雨漏りがある場合は、原因部分をしっかり直します。
工事が終わったら、きちんと取り付けられているか、水が流れるかなどをチェックします。
最後にまわりを掃除し、きれいな状態で引き渡します。
樋や板金はDIYできるの?

結論から言うと、DIYはやめてください。
「ちょっと傾いているだけなら自分で直せそう」と思う人もいるかもしれません。
ですが、樋や板金の修理は意外と難しい作業です。
高い場所での作業になるうえ、誤って部材を取り付けると、水の流れが悪くなってしまいます。
また、屋根まわりは専門知識が必要な部分でもあります。
安全面のことを考えて、無理に自分で直そうとせず、信頼できる業者に相談しましょう。
まとめ
- 樋と板金は、雨から家を守るための重要なパーツ
- 板金の種類や場所ごとの役割を知ることで、劣化のサインに気づきやすくなる
- 谷板金や樋の詰まりなど、見えない部分こそ注意が必要
- 小さな変化に気づいたら、早めの点検・修理が大きなトラブルを防ぐカギ
少しでも「おかしいな?」と感じたら、それは家からの小さなSOSです。
eリフォームでは無料で現地調査を行っています。
気になる点がございましたらお気軽にご連絡ください!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。