今回の記事は、こんな人へ向けて書いています。
- 屋根の防水工事を検討している
- 屋根の防水工事の内容を知りたい
- 屋根の防水工事の費用を知りたい
屋根は建物の寿命に関わる大切な部位であり、近年地震の発生率が増加していることから、災害に備える点でも屋根の防水工事は重要です。
屋根は大きく2つに分けられ、傾斜がある三角屋根と傾斜がない屋上・陸屋根があります。
防水工事の内容と費用は屋根の種類と傾斜の有無で大きく変動します。
この記事では、屋根防水工事の特徴・内容・費用、防水工事のタイミングなどを詳しく解説します。
屋根防水工事の特徴
初めに屋根の防水工事の特徴を3つ説明します。
- 足場費用の割合が多い
- 屋根の形状と傾斜で費用が変動する
- 天候に左右される
足場費用の割合が多い
屋根の工事は高所作業のため、足場の組立は必須です。
そのため、屋根の防水工事費用のほかに足場の組立などの別途料金が発生します。
また、見積書に「仮設工事費」と記載がある場合、一時的に設置する足場などの設備費用のことを指します。
屋根の形状と傾斜で費用が変動する
屋根の面積が同じであっても、形状や傾斜によって作業の手間や材料費が異なるため、工事費用も変動します。
仮設工事費を含め、工事前に見積書の確認を行い、工事内容のイメージを把握することが大切です。
天候に左右される
屋根の防水工事は屋外での工事のため、雨風の影響で工事が中断することが多々あります。
そのため、工事の時期やタイミングを調節する必要があります。
参考文献:建築工事研究会「積算資料ポケット版 リフォーム編 2023 No.23」,一般財団法人 経済調査会,2022年10月,P.386
なぜ屋根の防水工事を行うの?

屋根の防水工事を行う理由は、建物の寿命を延ばすためです。
屋根は、常に太陽の紫外線や雨風、砂、気温の変化、地震などの影響を受けています。
ダメージが蓄積することで、防水機能が低下して雨漏りの原因になるので、定期的にメンテナンスを行いましょう!
また、近年地震や風水害などの発生率が増加しており、被害が拡大しています。
災害に備える点でも、屋根の補強や防水工事を行うことは大切です。
傾斜あり(三角屋根)|防水工事の内容・費用

- 雨漏りのリスク低い
- コケや藻が発生しやすい
傾斜がある屋根は雨水が流れやすく、雨漏りのリスクが低いのが特徴です。
しかし、屋根に残った雨水の影響でコケや藻が発生しやすいデメリットがあります。
屋根の塗装工事は、屋根材の劣化を防ぐための工事で防水工事ではありません。
屋根工事
屋根材が劣化してひび割れた部分は、ひび割れを埋めるためにシーリング処理を行います。
ひび割れや劣化の範囲が広い場合は、屋根材の葺き替え(ふきかえ)やカバー工法を行います。
簡易補修 | 葺き替え | カバー工事 | |
---|---|---|---|
工事内容 | ひび割れを埋める | 古い屋根材を新しく交換する | 古い屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる |
単価 | 約500円~/m | 約4,000円~/㎡ | 約5,000円~/㎡ |
傾斜なし(屋上・陸屋根)|防水工事の内容・費用

- 雨漏りのリスク高い
- 雨水が溜まりやすい
屋上や陸屋根(ろくやね・りくやね)は、傾斜がほとんどないため雨水が溜まりやすいことが特徴です。
雨水が排水口(ドレン)に流れず水溜りを放置すると、床面の防水機能が劣化して雨漏りのリスクが高くなります。
屋上と陸屋根に使用する防水工事は、主にウレタン防水・FRP防水・シート防水の3つです。
シート防水
シート防水は、塩ビシートやゴムシートを張り付けて、防水層を作る工事です。
形状 | シート状 |
---|---|
メリット | 広くて平面な場所に適してる |
デメリット | 凹凸面に不向き |
工事日数 | 約1~4日 |
耐用年数 | 約10~15年 |
単価 | 約4,000円~/㎡ |
面積が広い場所に利用されるので、屋上や陸屋根の防水工事に適しています。
表の工事日数や耐用年数は、天候や環境によって日数が変動します。
また単価の金額は目安のため、参考程度にご覧ください。
屋上の防水工事では足場の組立や下地補修など、防水材以外にも別途料金がかかります。
その他のウレタン防水やFRP防水は以下の記事で詳しく書いてますので、気になる人はご覧ください。


【屋上・陸屋根 対象】屋根防水工事のタイミング

以下の3つの症状を見つけたら、屋根の防水工事を考えるタイミングです。
- 水溜り
- シート防水の破れ
- 雨漏り
上記の症状の中で、雨漏りは誰でも確認できますが、水溜りとシートの破れを住人が目視で確認できるのは「屋上の場合」のみです。
陸屋根の場合は、人が屋根の上を歩くことを想定していないので、手すりがなくとても危険なので業者に調査を依頼しましょう。
水溜り

1つ目の症状は、水溜りです。
写真のようになる原因は、雨水と一緒にホコリやゴミ、砂、落ち葉などが排水口に流れて、中で詰まることが考えられます。
排水口の詰まりは、こまめな掃除で防げますが、高所での作業は転落や怪我に十分注意してください!
水溜りを放置すると、屋上床面の防水機能が徐々に低下して、最終的に雨漏りの原因や雨漏りによる二次被害が発生します。
屋上の床面に使用されているトップコートの耐用年数は約5年なので、5年に一度はトップコートの塗り替えを行いましょう!
シート防水の破れ

2つ目の症状は、シート防水の破れです。
屋上は凹凸が少なく平面であることが多いので、シート防水工事を施している屋上もあります。
シート防水が破ける原因は、鋭利なものを落としたり、重いものを引きずったりすることです。
室外機や植木鉢など重いものを移動するときは、必ず2人以上で持ち上げて移動させましょう!
写真のようにシート防水の破けが広範囲ではなく、5箇所以下の場合はシーリング処理で補修を行います。
広範囲に破けている場合は、全面の防水工事が必要です。
雨漏り

3つ目の症状は、雨漏りです。
雨漏りが発生している場合は、放置をせず早めの防水工事が必要です。
「雨漏りが発生している=屋上の防水機能が低下している」と考えてください。
雨漏りしている部分から錆びや腐食が発生するほか、建物自体の寿命を短くしてしまいます。
雨漏りを未然に防ぐためにも、定期的なメンテナンスが大切です。
まとめ
最後に屋根の防水工事について、表でまとめたので、ご覧ください。
- 屋根防水工事の特徴
-
- 足場費用の割合が多い
- 屋根の形状と傾斜で費用が変動する
- 天候に左右される
- 防水工事費用|傾斜あり(三角屋根)
-
- 簡易補修
-
500円~/m
- 葺き替え
-
4,000円~/㎡
- カバー工法
-
5,000円~/㎡
- 防水工事費用|傾斜なし(屋上・陸屋根)
-
- ウレタン防水
-
3,000円~/㎡
- FRP防水
-
5,000円~/㎡
- シート防水
-
4,000円~/㎡
- 目視確認できる症状|屋上の場合
-
- 水溜り
- シー防水の破れ
- 雨漏り
- 目視確認できる症状|陸屋根の場合
-
- 雨漏り
施工事例
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屋根の雨漏りや防水工事を検討している人はお気軽にご相談ください!